《MUMEI》
図書室の人影
.


俺はグラウンドの奥にある校舎へ目を向けた。

その1階にある、図書室を見つめる。



図書室の窓ガラスの、向こう側に、



小さな、人影があった…………。





悲しそうな表情を浮かべて、



切なそうに、マウンドにいる中村たちを見つめる、



天草の姿だった。





−−−気づけは、校舎に向かって駆け出していた。





後ろからアイコの呼ぶ声が聞こえたが、それどころじゃなかった。





…………どうしよう。



きっと、傷ついてる。



毎日、中村のことだけ見つめて、



『コキンワカ』なんか読んで、



自分の気持ちを重ねてみたりして、



きっと…………、



きっと、



泣いてる。





.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫