《MUMEI》 . …………『心配』?? 『応援』?? そんなキレイな気持ちじゃ、ない。 ここに駆け込んだときだって、 俺は天草が絶対泣いてるって思ってて、 そんで、傷ついてる天草に優しい言葉とかかけてあげちゃって、 あわよくば、抱きしめてみたりとか……… そんなことしか、考えてなかったのに。 浅はかな自分が、恥ずかしくなる。 『資格』がないのは、むしろ俺の方だ。 俺は拳を握りしめて、 それから、言った。 「………天草は、頑張ったよ」 ゆっくりとカウンターに近寄る。 その拍子に、カウンターの上に置いてあったペンスタンドに俺の手がぶつかって、喧しい音をあげながら、床の上に転がった。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |