《MUMEI》
課題答え合わせ
(宮崎先輩、卒業して更に強くなった気が…)


「ところで、田中君」

「は、はい。何でしょうか?」

「そんなにかしこまらなくても」

「いや、なるだろ」


素早くツッコミを入れたのは、大蔵先輩だった。


「…ま、いいわ。まだ時間あるから、答え合わせしましょうか」

「答え合わせ?」

「忘れたとは、言わせないわよ」


そう言って、宮崎先輩が取り出したのは


「あ…」


覚えろと言われた、元部員の顔写真が貼られたファイルだった。


そこには名前は書かれていなかった。


「まさか、忘れてたとか…」

「覚えてます、けど…」


(いろいろあったからな)


正直、全員書ける自信は全く無かった。


「じゃあ、書けるだけ書いて。衣装着替える時間までに」

「は、はい」


(とにかく、頑張るしかない)


俺は、プリントに集中した。


途中で龍さんや部員が来ても気付かないほどの集中力を発揮できたのは


宮崎先輩が怖かったのもあったからだった。


その結果


「まあまあね」

「あ、りがとうございます」


俺は、何とか八割の名前を書くことに成功した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫