《MUMEI》
*8* キ レ イ ナ ハ ナ ビ
──お祭から帰って来て、ひと息ついた時だった。





「みかんみかんっ」

「?」

「じゃーん☆」





こーちゃんが、掲げて見せてくれた物。





それは──花火セットだった。





「なっ、やろーぜっ?」

「今、から?」

「丁度いーだろっ? まだ祭のテンション残ってる事だし」

「──うん‥」

「っし、じゃあ行こーぜっ」

「うん」

「──っと‥、マッチとロウソクは持ったと」

「ぁ‥バケツに水入れなきゃ」





花火セットと水の入ったバケツ、ロウソク、マッチを持って、私達はアパートの裏に向かった。

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