《MUMEI》

「よーし、そんじゃあ早速やりますかっ☆」





こーちゃんが袋から花火を取り出して、先っぽを炎に近付ける。





少しして、勢い良く綺麗な色の火が噴き出した。





「ほいっ、みかんもやってみな?」

「───────」





花火を受け取って、こーちゃんがしたのと同じように‥ロウソクの炎に近付ける。





「‥あれ‥?」





点かない。




「どーしたー? 点かねーのか?」





こーちゃんが、ズイッと私の横から身を乗り出してきた。





「貸してみな?」

「ぇ」

「点けてやっからさ、ほらっ」

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