《MUMEI》

「よしっ、片付いた──」





散乱した病室を、何とか元通りに出来た。





那加の機嫌も、何とか直った。





一時は、修羅場になりかかったけど‥。





──そんな那加は今、向日葵の水やりをしている。





日向がくれた花だから≠チて、大事にしてくれているみたいだ。





「──ひなたっ、ねぇ」

「ハイッ‥何でしょうかっ、姫サマ‥」

「ひまちゃんどこ?」

「ぇ‥ひま‥?」





昨日、俺の枕元で一緒に寝て‥。





それで‥‥‥。





どこ行ったんだ‥?





また脱走した訳じゃ‥ないよな‥?

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