《MUMEI》 「───────」 終わった花火を、そっとバケツの水に落とした。 「──次どれやりてー?」 「こーちゃん選んでいいよ」 「んー‥じゃあ──これにすっか」 こーちゃんが出したのは、さっきよりも少し長めのスパーク花火。 「やっぱいーなぁ、花火──」 さっきと同じように、色々と角度を変えながら──花火の煌めきを写していく。 その光が、消えるまで。 その姿は、弾ける花火よりも──ずっとキラキラして見えた。 前へ |次へ |
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