《MUMEI》

その事が気になって‥私はまたぼんやりしていた。





だから、こーちゃんがカメラを向けている事に気付いていなかったんだ。





「!‥」





慌てて、顔を背ける。





それでも‥こーちゃんはピントを私から外さない。





「言ってみな?」

「──ぇ‥」

「何か訊きたいんだろ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





‥ほら──また恐がっている。





何がそんなに恐いの‥?





恐くなんかないんだよ。





訊かなきゃ‥何も分からないんだよ。





──色んな事を、自分に言い聞かせる。





──私自身に。





「‥あのね‥‥‥」

「ん?」

「こーちゃん‥私の事‥‥‥どう‥思う‥?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫