《MUMEI》
苦悩
あーあ、今日は『へびぃ』で『しりあす』な話を聞いちゃったわね・・・。
秋葉は今宵達と別れた後、1人でプラプラと歩いていた。
あんなこと聞いちゃったら、おちおち恋もしてられないわ!!
でもそれは・・・。
それはあの話が雪村のことだからよね。
ほかの子のことだったら、絶対にこんなこと思わないもの。
歩雪くんにだって普通にぶつかっていけたのに・・・。
「あたしは・・・・・・あたしはどうすればいいのかしら」
秋葉はぽつり、と言葉を落とした。
これに返してくれる声はなく、賑やかな街に消えていった。
秋葉の心は、迷子の小さな子供のように彷徨うだけだった。
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