《MUMEI》 6章 楽しみな事「まだかな〜」 ──ずっと、窓辺に張り付いている那加。 「ねっ、今何時何分?」 「7時44分」 「早く8時にならないかな〜」 花火が上がるのを、今か今かと待っている。 窓を開け放してあるもんだから‥俺はヒヤヒヤしっ放しだ。 那加は、かなり勢い良く身を乗り出すから。 本人は、大丈夫だって言い張っているけど‥。 一応ここ、3階な訳だし‥。 「日向も一緒に見るんだからね?」 「──ぁぁ。分かってる」 前へ |次へ |
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