《MUMEI》

「──ありがと」

「ん‥?」

「ぉぅ──‥、あれ‥俺何かしたか?」

「うん」





──してくれたよ。





だから──ありがと。





好きになれたんだ。





君のお陰で。





この、小さな光を。





儚い光を。





私もいつか、君が嫌いな物を──好きにさせてあげられるかな。





また1つ、君にしてあげたい事が増えた。





でも‥‥‥。





こーちゃんに嫌いな物ってあるのかな‥。





食べ物でも、風景でも、こーちゃんは‥これが嫌いだ──なんて言った事は1度もない。





本当に、1度も。

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