《MUMEI》

「どうして嫌いなの‥?」

「何かさ、バカな事やっちまったなって」

「こーちゃんはやりたかった訳じゃないんでしょ‥?」





そう訊いたら、こーちゃんは苦笑した。





「でも──ちょっと面白半分だった」





カメラを夜空に向けて、小さく溜め息を洩らす。





「少4から中2の1学期位までの頃さ、教室の机蹴っ飛ばしたり‥窓ガラス割ったりして散々好き勝手やってたんだ。けど──独りだったらやんなかっただろーな‥」

「‥?」

「不良仲間が何人かいてさ──ソイツらと釣るんで厄介事ばっか起こしてよ──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥分かんなかったんだよな、自分で何がやりてーのか」

「それで‥」

「ぁぁ、何かやりゃ見つかんじゃねーか、って‥。ま、あんな事して見つかる筈もなかったんだけどな‥」

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