《MUMEI》 情報管理. 俺は肩を上下に揺らし、天草をじっと見つめる。 天草は、数回瞬いて、 それから笑った。 「なんだかいつも、慌ててますね」 朗らかな声で、そんなことを言う。 俺は荒い呼吸を整える間もなく、「あの……」と呟いた。 「メール、読んだんだけど……あれって……」 そこまで言って、むせてしまった。 俺は床に座り込む。もう、足がグダグダだった。 天草はゆっくり椅子から立ち上がり、俺のもとへ近寄る。 そして、しゃがんで俺の顔を覗き込んだ。 「大丈夫ですか、高杉くん」 優しく尋ねてくる天草の顔を見上げる。 彼女は、やっぱり笑っていた。 . 前へ |次へ |
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