《MUMEI》 . 俺はゆっくり顔をあげる。 天草は俺の目を覗き込むようにして見つめ、 そして、華やかに笑いかける。 「わたしの、ホントの気持ちですから」 その顔が眩しくて、 俺はやっぱり俯いてしまった。 柄にもなく、照れてはにかんでしまう。 その様子を見て、天草が笑う。 カンペキに、立場が逆転してしまった。 …………まったく、 かなわねーな、天草には。 俺と天草は、放課後の図書室で、 いつまでも、いつまでも、 人知れず、肩を寄せ合っていた…………。 −END− . 前へ |次へ |
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