《MUMEI》 もうすぐ、8時だ。 「──日向っ、ほら早くこっち来て」 那加が、手招きする。 「始まっちゃうよ?」 「ぁ‥悪いっ‥」 何だか、この前の事がどうも気になっていて‥那加に近付けない俺。 あれ以来、あんな事はないけど‥。 「ひーなーたぁ、はーやーくっ」 急かされて、慌てて窓辺に向かう。 内心、かなりドキドキしながら。 「──あっ、ほらっ! 上がった!」 那加が、夜空を指差した。 前へ |次へ |
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