《MUMEI》 「地の“属性”がついてる」 「ジンのは…」 「風…地とは最悪の相性。」 ジンは顔をしかめた。 しかしすぐにリツを指差して 「あ!…お前は確か…」 「えーっと…炎」 それを聞いてジンの表情が晴れる。 「本当か?!よし、いけるぞ」 「何処に?」 ジンはリツの言葉を取りあえず無視して言った。 「お前の魔力、少しだけ物体化してくれ」 「え?…ああ。」 リツが両手のひらを合わせ、一瞬力を込めてから離し、 「ほらよ」 ジンに左手を差し出した。 差し出した手のひらには美しく朱に透き通った(見た限り色以外は普通の石と何ら変わらない)小石が数個現れていた。 「サンキュ…綺麗に透き通ってるな。お前の力晶《リキショウ》…相変わらず粗い形だけど。」 受け取った石を手で転がしながらジンが言うと 「どうせ俺は粗雑な人間ですよ…」 リツはいじけたように小声で呟いた。 「よし、あとは簡単だ」 ジンは紙を、座っている亀光岩に置きその上にリツの力晶を乗せ 「リツ」 それを指差して自分は立ち上がった。 そして二、三歩そこから離れて言った。 「それ、砕け。」 「え?」 ※※※ 前へ |次へ |
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