《MUMEI》

花火が上がる度に、那加は嬉しそうに歓声を上げていた。





次々、色んな花火が上がる。





「日向っ、今の見たっ?」




興奮気味に訊いてくる那加。





「──次は何かな〜♪」





テンション、上がりっ放しだ。





上がるよな、そりゃ──。





滅多に楽しみのない空間にいるんだから。





「もぉ‥日向ってば全然花火見てないじゃない」

「ぅあっ‥ぃゃ、見て‥」





見てるつもり、なんだけど‥。

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