《MUMEI》

──花火に見とれる那加と、那加に見とれる俺。





どれ位経っただろう。





一際大きな歓声が聞こえて、空を見た。





──大花火。






「わぁっ、おっき〜い!」





──本当にでかい。





たぶん、これで最後だろう。





「──終わっちゃったかなぁ」





名残惜しそうに、那加が呟いた。





「はー‥」





もっと見ていたかったんだろう。





「‥‥‥?」





何だ‥‥‥?

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