《MUMEI》

有里が励ましてくれて、何だか少し憂鬱が晴れた。





公園のベンチに座って──2人でジュースを飲みながら話をしていた。





「ふぅ‥今日あっついね──」

「木陰行く?」

「んー‥、ぁ、風吹いてきた。‥蜜花?」

「ぇ、‥ぁ‥ううん、何でもない‥」





自分でもだんだん‥分からなくなってきているんだ。





私は、こーちゃんの事を好きでいていいのかどうか‥。





すぐ側にいるのに、君が‥だんだん遠くなって行く。





‥まだ‥手を伸ばせば届く。





‥だけど。





手を伸ばしかけてやめてしまう。





いつも‥その繰り返し。

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