《MUMEI》 ──だいぶ、遠くまで来た。 「那加──戻るか?」 「今何時?」 「6時半」 「そろそろ戻んないとかぁ‥」 ちょっぴり、残念そうな那加。 「──帰ろっか」 「また明日──俺が早く起きたらだけど‥」 「うん♪」 頷いて、繋いだ手を大袈裟な位大きく振って歩き出す。 「今日の朝ご飯何かな〜♪」 最近、那加は食事を楽しみにするようになった。 食べられる物が、増えてきているから。 「日向は何食べるの?」 「ぇ、俺は──‥」 ──何にしようか。 「ねぇ?」 「えっと‥帰ってから考える」 「え〜!?」 前へ |次へ |
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