《MUMEI》

「『え〜!?』って言われても‥」





すぐには思い付かないし‥。





「じゃあ、あたしが決めてあげる」

「那加が‥?」





何だろう‥。





「えっと──、えっと‥」





那加、歩きながら考え込む。





けど、それはほんの少しの間だけだった。





すぐに、思い付いたらしい。





「あたしと同じの♪」

「‥同じの‥?」

「あたしのがパンだったら日向もパンって事♪」

「──ぁぁ‥分かった」





そういうのも、楽しいかも知れないな──。





「よしっ、病院まで競争しよ♪」

「競争‥? おいっ!?」





走り出した那加を追いかける。





──走りながら、楽しくて仕方なかった。

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