《MUMEI》

一歩病室に踏み込んで‥私は息を飲んだ。






こーちゃんはベッドに寝かされて‥点滴を打たれている。





まだ‥眠ったまま‥。





‥なかなかベッドに近付けないでいると。





「大丈夫、心配いらないよ。──昏睡してはいるけど、疲労が溜まっていただけのようだから」





先生が、私の側に来てそう言ってくれた。





私はホッとして、でも何だか心が重かった。





心身の疲労が溜まっていただけ‥。





その原因は私なんだ。





‥君に頼るばかりで。





‥甘えるばかりで‥。





何も気付いてあげられなくて‥。

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