《MUMEI》

‥ごめんねこーちゃん。





こんなになるまで‥気付かないでいてごめんね‥。





「──蜜花のせいじゃないよ?」

「‥私がもっと大人だったら‥‥‥ちゃんとしてたら‥‥‥そしたらこーちゃんはこんな風にならなかった‥」

「‥‥‥ごめん‥」

「蜜花、もうやめな?」

「‥何で‥‥‥」

「コウさんは──蜜花の泣き顔なんか見たくないはずだよ?」

「‥‥‥ぇ‥」





私は‥ハッとした。





私にカメラを向けていたこーちゃんの表情が、蘇ってきた。

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