《MUMEI》

──2人でペアになって、夜の学校を1周する‥って、それだけの事だった。





でも‥‥‥俺はビクビクだった。





『ナ‥ナカちゃ‥』

『大丈夫だってば。ほらっ、まだ始まったばっかりなんだから』

『怖いよぉ‥』





那加の腕をガッシリ掴んで、やっとの事で進んでいた。





あの時ばかりは、那加より前には出られなかった。





『何も出ないってば』

『でもさっき何か‥』





ちょっとした物音にも、ヒヤヒヤしっ放しだった。

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