《MUMEI》

本当に‥あの時は怖かった。





真逆だったな‥。





いつも那加の前にいた俺が、那加の後ろに隠れてしまっていたんだから。





‥何か‥恥ずかしくなってきた。





俺‥那加を守ってやらなきゃならないのに。





「何赤くなってるの?」

「いやっ、ち‥違‥」

「何が?」

「だから、ちょっと思い出して‥」

「ふぅん?」





那加が、不敵に笑っている。





「ふふっ、今夜はあたしが先頭かもね♪」

「──ぁぁ‥」




ちょっと、ぃゃ、かなり‥クラッときた。

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