《MUMEI》 ‥もう、外は真っ暗。 星も、月も出ていない。 ‥真っ暗な闇。 「蜜花、ほんとにあたし達いなくてだいじょぶ‥?」 「うん‥。ありがと、来てくれて‥」 「いいって──てか困ってたら助けるの当たり前じゃんっ、あたし達親友──でしょっ?」 「───────」 親友──。 私にとって有里は、初めての幼馴染みで、初めての親友。 私は有里に、いつも助けられてきた。 「ありがと、有里──。香坂さんも──ありがとうございました──」 「私は彼のアシスタントだもの、気にしないで。何かあったら──私にも連絡頂戴ね」 「──はい」 有里が──香坂さんがいてくれて良かった。 2人がいてくれなかったら、私はきっと取り乱して‥何も出来なかった。 そう‥‥‥何も。 前へ |次へ |
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