《MUMEI》

「‥‥‥ん‥」





小さな声がして、俯いていた私は顔を上げた。





そして‥目を見張った。





「──こーちゃんっ‥」





目を‥覚ましたんだ‥。





意識が──戻ったんだ‥。





「───────」





嬉しくて‥なのに言葉が出てこない。





そうしていたら‥





「‥‥‥‥‥‥‥」





こーちゃんは、起き上がると‥病室をゆっくりと見回した。





「‥ここ──」

「病院‥」

「‥ビョウ‥イン‥?」

「うん‥救急車で運ばれて‥‥‥昏睡してたの、ずっと‥‥‥。でもっ、病気とかじゃなくて──」

「──お前‥‥‥」

「ぇ」

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