《MUMEI》

「──何で‥泣いてんだ‥? お前──」





こーちゃんが、不思議そうに私を見る。





青みがかった目で、ジッと‥。





「おい‥‥‥?」

「‥こーちゃん‥」

「『こーちゃん』‥?」





全然知らない人の名前みたいに、こーちゃんが呟いた。





「‥『こーちゃん』って‥誰だ‥?」

「!‥」





それも‥忘れちゃったの‥?





‥私が君に付けたあだ名だよ‥?





──何で‥?





‥どうして‥?





「‥‥‥‥‥‥‥」





好きなのに‥。





ずっと‥好きなのに‥。





なのに私は‥自分の気持ちに嘘をついていた。





私は‥こーちゃんの事が好きなんだ。





嫌いになんかなれないんだ‥。





「っ‥‥‥‥‥‥」





‥本当の気持ちに‥今更気付いた‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫