《MUMEI》 「‥カメラ、か‥」 こーちゃんが、確かめるようにそう呟いた。 私は頷いて、ベッドの側の丸椅子に座る。 「えっとね‥? ここを押すとシャッターが切れるの。それで──」 「悪ぃ、もーちょっとゆっくり‥頼めるか‥?」 「ぁ‥‥‥ごめん‥」 いきなりいっぺんに説明されても戸惑うよね‥。 「じゃあ、まずは──」 何気なくだったけど──こーちゃんがカメラを使っているのを見ていて良かった。 まさか、私が使い方を教える事になるなんて思わなかったけど──。 前へ |次へ |
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