《MUMEI》

『どうかしたの?』

僕はさっきから桜の
木にジャンプしてい
る人物に声を掛けた

春休みだと言うのに
新聞部のミーティン
グに参加した帰り道
の事だった。


『あの枝に大事な紙
が飛ばされて…』

そう言って、その人
は振り返った。


……留異沙!?
僕は、息を飲んでそ
の人を見詰めた。


しかし、良く見れば
その人は男で、僕の
留異沙じゃないとす
ぐに気が付いた。

…でも、似てるな。
しかも、小動物のよ
うな仕草が可愛い。


『あ…の…』


『ああ、ごめんね。
あの枝だね、ちょっ
と待ってて』

僕は、枝の下に歩き
膝を曲げて思いっき
りジャンプした。


バサッ…ハラリヒラ
リ…花びらと一緒に
一枚の紙が落ちてく
る。

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