《MUMEI》

「へー、面白ぇなぁこれ──」





すっかりカメラに夢中なこーちゃん。





レンズから風景を覗きながら、カシャカシャとシャッターを切り続けている。





昨日までのこーちゃんと、同じだ。





記憶がなくなっても、こーちゃんはこーちゃんなんだ。





私は少しずつ、不安がなくなっていくような感じがしていた。





絶対、また思い出してくれる。





きっと──また楽しい思い出を沢山作れるようになる。





──信じてみようと思うんだ。





君と、約束をしたんだから──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫