《MUMEI》 「‥ぇ」 「──そこ──立ってくれっか」 その言葉に、私は懐かしいような、不思議な気持ちがした。 「──立つ‥?」 「普通にしてていーからさ、そこのドアのとこにでも」 「───────」 不思議な気持ちのまま、扉の前に立った。 カメラが、向けられる。 「っと‥‥‥シャッターは‥‥‥」 「そのボタンだよ」 「ぉ、そーだったそーだった‥。じゃあ撮るぞー?」 ──カシャッ。 シャッターが切れた。 「っし──撮れた」 前へ |次へ |
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