《MUMEI》

一通り部屋を回って、何事もないのが分かると。





那加は、満足したみたいで。





「戻ろっか♪」





そう言ったから、ホッとした。





やっとここから出られる。





と‥思ったんだけど。





「‥‥‥あれ」

「どうした?」

「開かない」

「‥開かない!?」





何で‥。





「‥! まさか‥噂って‥」

「うんっ、ここに入ると出られなくなるの♪」

「何でそんなに嬉しそうなんだ‥?」

「──ふふっ♪」

「なっ‥‥‥姫‥サマ‥?」

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