《MUMEI》

「ん?」


「───────」


昔は、ただのやんちゃ坊主だったんだ。


けど、だんだん変わってきた。


背も伸びて、カッコよくなって。


側にいると、きゅん♪ ってなるんだ。


でも、洵は全然気付いてないっぽい。


ほんとに、全然。


これっぽっちも。


──おかしくない?


あたし達、こんなに近くにいるのに。


「ぁ──あのさっ?」


「?」


「何か洵ってさ、カッコよくなったよねっ♪」


とか言ってみても。


「ふはっ、どうしたんだよ急に──何か欲しいもんでもあんの?」


とか、返ってくる。

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