《MUMEI》

「そーかぁ──」





嬉しそうな、笑顔。





「ミツカの事も──結構撮ってたんだな、俺‥」

「うん、私知らない内に撮られてたりして──」

「──ぇ」





こーちゃんの目が、円くなった。





「俺‥隠し撮りとかしてたのか‥?」

「うん、寝顔とかは特に──」

「‥悪ぃ‥」

「ううん、撮ってくれて良かった」

「良かった‥?」

「うん、良かった」





君が、本当に私を大切に思ってくれていたんだって──この写真がなかったら、たぶん私は気付けなかったから。

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