《MUMEI》 . わたしはタオルケットに包まりながら、しばらく呆然としていた。 キングサイズのベッドの上で、わたしはほとんど裸に近い格好をしている。 ゆっくりと、部屋を見回す。 高い天井。薄暗い証明。趣味の悪い壁紙。 安いラブホに、よく有りがちな内装だった。 …………ここは? わたし、なんで、こんなトコに……?? 恐る恐る、隣を見る。 わたしのすぐ傍には、蒲生くんのあどけない寝顔があった。もちろん、裸だった。 努めて、冷静に考えてみる。 …………えーっと。 ここは、(たぶん)ラブホで、 わたしは裸で、 でもって蒲生くんもなぜか隣で眠ってて、 つーことは、 つまり……………。 ……………………………………って!! 「ウッソォ!!!」 わたしは、つい大声をあげてしまった。 . 前へ |次へ |
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