《MUMEI》
昨日の顛末
.


シャツに腕を通しながら、「なに?」と首を傾げる。

その様子があまりに自然で、わたしは余計に緊張した。

タオルケットを握る指に力を込めながら、わたしは俯く。


「き、昨日……わたし…もしかして、そのぉ………」


顔が、熱い。恥ずかしくて、蒲生くんの顔を見られない。

モジモジしていると、蒲生くんはなにか思い出したように、「ああ…」と声をあげて、優しく言った。


「なにもしてないよ、安心して」


わたしは顔を両手で覆う。





…………やっぱり!!


やっぱり、そうか!?そうだよねッ!!



なにもして……………





…………………ない??





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