《MUMEI》 11時過ぎ、香坂さんが来た。 大きな袋を持って。 「顔色、良くなってきたみたいね──晃君」 「ぁ‥はい、ども‥。あの──それ何すか?」 「資料よ。今、色々調べててみてるの」 「調べてみてる‥?」 「ええ。勝手な事してごめんなさい‥。でも、あなたはやっぱりもっと‥認められるべきだと思うの。その為には、少しでも多くの人にあなたの写真を見てもらわなきゃならないわ。だから──」 「‥フォト‥コンテスト‥?」 資料の1枚を見て、こーちゃんが呟いた。 「スイマセン、俺‥‥‥あんまし‥」 「晃君‥?」 前へ |次へ |
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