《MUMEI》 「‥‥‥ぇ」 こーちゃんも。 有里も。 香坂さんも。 一斉に、私を見る。 「香坂さんも言ってたけど、こーちゃんは──」 「蜜花、そう焦らなくてもさ?」 「出て欲しい。こーちゃんだってほんとは‥」 「ミツカ」 「っ‥」 「ごめんな」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「おい‥ミツ‥‥‥」 「‥こーちゃんのばかっ‥」 「‥ぇ‥」 「ちょっ‥蜜花‥!?」 「蜜花ちゃんっ」 有里と香坂さんの声を振り切って、私は病室を飛び出した。 「‥っ‥‥‥‥‥」 どうしてこーちゃんは‥出たくないんだろう。 ‥分からないよ‥。 前へ |次へ |
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