《MUMEI》

(ま…
考えてもしょうがね〜。
とりあえずやるしかないわな。)


「ピッ!!」


「1本行こう!!」


審判の笛と同時にパスを回すリトルハンド。


動き出す時計。


だが、


動いていたのはそれだけではなく、


海南クラブの作戦も、


同時に動き出していた。









「…っと。」


右サイドに回そうとする45であったが、


牽制が出ていた為これを止める。


(牽制か。)


右45は焦らずボールをセンターに回す。


「…あれ?」


ボールを受け取るセンター。


(出てこね〜の?)


そう。


1・5ディフェンスにより全線に出ているはずのクロ。


センターを抑える絶好の機会だったのにも関わらずこれを見逃す。


(…じゃ、
何で前出て来てんだよ?)


「おい。」


「あっ…。」


ボールは左45へ。


「ん…」


さらにボールをサイドに回そうとするが、


(牽制?)


ディフェンスが牽制に出ている為ボールをセンターに…









ピクッ…









(か…
返せない!!)









クロは明らかにカットを狙っている様子を見せていた。


1人ボールを持ったまま身動きの取れないリトルハンドエース。


彼には1人もディフェンスなどついていないというのに。

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