《MUMEI》
予想通り
――冗談じゃねぇ。


俺は、絶対に死なないし絶対に殺されない!!



俺は強く心に決めていた。智や椋の死について、真相を知るまでは絶対に死なないと。

…けれど、二人の死の手掛かりも、俺が死から逃れる方法も全く見つからない。


っくそ!!
どうしたらいいんだよ…!!

俺は拳で力一杯壁を殴った。もう、手の痛みなんて感じない。ただ、考えることに夢中だった。だから、柊がすぐ横に来ていたことにも気付かなかった。




「…代君…き代君!月代君!!」

「!?…あ、ゴメン。何?」




ちょっとまずいとこを見られたかなぁとか思いながら、柊の方に向き直る。
それにしても、俺が何か考え事をしていると、決まって柊が声を掛けてくる。

今はこいつとあまり関わりたくないのに…。



「おはよ、どうかしたの?」

「え、あ、いや、別に…」

「壁を殴ってるし、挨拶しても返事ないし、何回呼んでも気付かないし…。何か悩み事でもあるんじゃないの?」

「ないよ」

「……赤い薔薇……?」

「っ!!」



柊の口から放たれた言葉に、俺は過剰に反応した。そして、柊はそれを見逃さなかった。




「あら、図星?真剣に考えてたからまさかとは思ったけど。……薔薇、あったの?」

「……あぁ、あったよ。お前の予想通り、俺は1週間後には死ぬ運命にあるらしい」



そして、お前の計画通りにな。…というのはさすがに言えなかったが、嫌みたっぷりに言ってやった。すると柊は、悲しそうな顔をして謝罪してきたのである。




「そんな嫌み言わないで。あの時はちょっと言い過ぎたと思って、反省してるわ。私、どうかしてたのよ」

「ちょっとどころじゃなかったけどな。柊が智と椋を殺して、次は俺を殺そうとしてるんだと思ってるぜ?」

「…そう。それは随分酷い予想ね。そして、その予想は外れているわ」

「どうだかな。この際はっきり言うけど、俺は柊を疑ってる。最初からな」

「そんな…。私は本当に何も「そろそろ一人にしてくれるか?あまり人と話す気分じゃない」」

「…分かったわ。それじゃ」

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