《MUMEI》

私は‥何も言い返せなかった。





それがこーちゃんの素直な気持ちなら、こーちゃんが本当にそれでいいと思うなら、私は受けとめなきゃいけない。





「‥分かった‥。ごめんね、怒ったりして‥」

「謝まんなって」

「私‥こーちゃんのこと傷付けて‥」

「ミツカ」

「っ‥」

「撮るぞー?」

「‥ぇ」





目の前に、カメラ。





「こー‥ちゃん‥? ‥ゎっ‥こーちゃん待って」






慌てて、顔を隠す。





それでもこーちゃんがしつこいから、つい笑っていた。





「よーし、やっと笑った♪」

「ぇ──」





私を笑わせる為に──わざと‥?





「ぁ‥」





辺りが明るくなっている。





空が──泣き止んでいる。





「おーっ、雨止んだなぁ!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫