《MUMEI》
帰巣本能…
.




一夜明けて−−−。




わたしは昼休み、教室の窓からぼんやり外を眺めていた。

眩しいくらいの青空が、今日はなんだか無性にムカつく。





…………あ゙〜〜〜〜〜!





散々だったなァ。



憧れの蒲生くんと、ふたりきりだったのに。


しかもホテルで、


ふたりとも、お酒飲んでたのに。



なのに………



なにも、



ないって…………。





わたしは深いため息をついた。


「なーに?ため息なんか、ついちゃって〜」


聞き慣れた声に、わたしはゆっくり振り返る。

すぐ近くに、友達のレミがいた。

レミは、わたしのやる気のない顔を見て眉をひそめる。


「どーした?なんかあった??」





…………『なんかあった』もなにも、



なかったんですよ、ネェさん………。





.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫