《MUMEI》 . わたしはレミの顔を見つめて、再びため息をついた。レミは嫌そうな顔をする。 「ひとの顔見て、ため息つかないでよ」 わたしはレミの文句も、無視した。 レミはわたしをじっと観察するように眺めてから、「ああ…」と思い付く。 「わかった、二日酔いでしょ??土曜日、大変だったもんね。わたしも辛かった〜」 見当違いのことを口にする。 否定するのが面倒なわたしは、レミの言葉に頷いた。 「ちょっと飲み過ぎたかな」 レミは深々と頷く。 そして、ドキッとするようなことを言った。 「あのあと、ちゃんと帰れた??」 わたしはギクッとした。努めて平静を装い答える。 「よく覚えてないけど、気がついたら自分のベッドで寝てた」 嘘をついた。 だって、 ホントのことを言ったら……… 蒲生くんとホテルに泊まって、 でもって、なにもなかったなんて言ったら、 ゼッタイ!! 笑われるッ!! . 前へ |次へ |
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