《MUMEI》 後夜祭のリボン「じゃあ、厳君リボンどうするの?」 「……どうしたらいいですかね?」 (そうか。今年もそれがあったんだ) 希先輩が言ったリボンとは、後夜祭で、恋人同士の男女が交換するリボンの事で 告白アイテムにもなっていた。 「ちなみに去年はどうしたんだ?」 頼の言う通り、去年の段階でも厳は松本と石川の二人に絞っていた。 「あの時は、単なるイベントだから別にいいやーって思って…」 「思って?」×4 「こ、こわいよ、皆」 「柊は入ってないわよ?」 確かに柊はまだ麺を一本ずつ食べていたが 希先輩が、普段の二倍怖かった。 「あ、あの、ね…。二人の同意は、得たんだよ?ちゃんと」 「それで?」 …二倍どころか四人分の迫力に、希先輩以外は黙ってしまっていた。 「…リボン、半分に切って渡して 相手のリボン 両方受け取って… 交互に…」 ガタンッ! 希先輩は立ち上がり、そのまま 柊を引きずるように連れだし、帰ってしまった。 「最低」 「「だな」」 「こ、今年はしないよ」 「当たり前」×3 その後、頼はすぐに帰ったが、志貴は延々と厳の説教を、閉店間際まで続けた。 前へ |次へ |
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