《MUMEI》
久しぶりの検査
「遅かったな」

「… …まあな」


(相変わらず、心臓に悪いな)


「ずっとここにいたのか?」

「そんなに暇じゃない」

「そうか」


『暇じゃない』


そうきっぱり言い切って、忍は一次会にも出なかった。


「祐也」

「何だ?」

「脱げ」

「何で」

「検査」


(無駄だと思うけど…)


俺はため息をついて、荷物を置いた。


それから、忍の前に行き


全裸になった。


「触るぞ」

「あぁ。言っとくけど、痛覚はあるからな」


忍は俺の言葉を無視したが


そっと、俺の性器を撫でた。


それから、ゆっくりと包み込むと、その手を上下に動かし始めた。


それを俺は、冷めた目で見ていた。


(変、だよな…)


触られ、擦られ、時に舐められ、吸われた事すらあるのに


忍のそれは、下手とは思えないのに


…全く反応しない。


「たまには、お前も協力しろ」

「やってるよ」


俺はいつも、旦那様とヤッた時の事を考えていた。


しかし、現実には、旦那様はいない。


実は一度、志貴の事を想像した事もあったが、それでも体は反応しなかった。

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