《MUMEI》 ・・・・「非情になるのが王たる者の務めだろう、たとえ血の繋がった家族と赤の他人である民のどちらかしか救えない状況であろうと、家族を捨て民を救わなくてはならない。 それを出来ない者が王の座に就いていること自体がそもそもの間違いだ」 無情でにべも無いことを言っているが、三人は何も言葉にすることが出来なかった。確かに冷酷な意見ではあるが、けして間違っていない。ある意味では正解とも言える。だが、人は損得だけで動くものではない、感情で動くものだ。王もまた人間、認めるとまではいかなくとも、赦すことは出来るのではないのか。 なにがカイルをそこまで冷徹な人間にしているのか、唯一の友であるエドにもわからなかった。 場の雰囲気は最悪となり、重たい空気が口を開くことを許してくれない。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |