《MUMEI》

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引き攣った笑顔を浮かべながら、わたしは大慌てで訂正した。


「やだー、蒲生くんたら、打ち上げは昨日じゃなくて、おとといでしょ?もー、二日酔い??」


アハハ、とわざとらしく笑ってごまかす。蒲生くんは、「は?」と首を傾げた。


「だって、昨日……」


そこまで言いかけた彼の言葉を、わたしは、あー!!と大声をあげて遮った。


「大変、担任に呼ばれてたんだった!!職員室、行かなきゃ!」


じゃあね!とまくし立てて窓辺から離れると、蒲生くんの脇をスッとすり抜けた。そのあとを、蒲生くんの声が追いかけてくる。


「ちょっと待てって、小早川!」


慌てる彼に、クラスの女子が「どーしたの〜??」と声をかける。蒲生くんがその女の子の対応をしている隙に、わたしは教室から出て、廊下へ逃げ出した。

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