《MUMEI》

後どれ位経てば──君に追いつけるのかな。





──どれ位経てば──。





「天気戻ったなぁ、すっかり──」

「うん、さっきの雨が嘘みたい」

「そーいや‥何であん時いきなり止んでたんだろな──」

「こーちゃんが来たからだよ」

「っ?」

「こーちゃんが、雨を止ませたんだよ──」

「俺、が‥?」

「うん。こーちゃんが」

「───────」

「ぁ、ジュースいる‥?」

「いんや、今はいーや。──そんで‥」

「?」

「頼まれてくれっか‥? ひとつ──」





そう訊いてきたこーちゃんに、私は頷いた。

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