《MUMEI》

「もう──話終わったんだ──」

「おうっ。一応帰りにまた顔出し‥‥‥、どうした‥?」

「ぁ‥‥‥荷物もう準備出来てるよっ」

「‥ぉぅ──」





こーちゃんは一瞬、何か言おうとしたみたいだったけど‥そう答えただけだった。





私がまた悩んでいる事に‥気付いたのかも知れない。





「っし、じゃあ行くか☆」

「──うん」





頷いて、私はもう1度病室を見回した。





もう、たぶん──ここに来る事はないと思う。





でもこの病室には──私とこーちゃんの思い出が、少しかも知れないけど‥確かにあるから。





何だか、ちょっぴり寂しい。





「ミツカ、行こーぜ?」

「ぁ‥うんっ‥」

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